2011年11月29日火曜日

喫煙と中性脂肪、高脂血症・動脈硬化の関係

喫煙は、肺ガンなどガンの危険因子であるだけでなく、インスリン抵抗性を高くして、HDLコレステロールを減らしたり、中性脂肪を増やしたりします。
また、糖尿病や高血圧、内臓脂肪型肥満などを悪化させます。

喫煙はさらに活性酸素(フリーラジカル)を発生させてLDLを酸化させ、動脈硬化を促進します。

その結果、心筋梗塞や脳梗塞などの怖い病気を発症させるのです。

虚血性心疾患のある人はもちろん、そうでない人も、禁煙を心がけましょう。

禁煙を難しくしているのは、たばこが生活リズムの中に組み込まれている「習慣依存」という側面にあるからです。

禁煙後、半年から1年たっても、習慣依存の摩の手は忍び寄ってきます。

しかし、禁煙に失敗しても、自分を責めてはいけません。
「一度も禁煙に挑戦しなかった人よりも、何度も失敗を重ねてきた人の方が、完全に禁煙できる」というアメリカでの調査結果もあります。

どうしてもたばこをやめられないときは、病院の「禁煙外来」を受診してみましょう。

禁煙外来では、医師の禁煙指導とともに、禁煙補助薬を使って、禁煙を援助します。
禁煙補助薬は、血中のニコチン濃度を一定に保つことで、禁煙初期のイライラや集中力の低下などの症状を抑える薬です。
現在、皮膚に張るニコチンパッチと、ニコチンガムが使われています。

2011年11月28日月曜日

狭心症の症状

狭心症でも「胸が痛い」という症状だけで判断しても早とちりになることがあります。

たしかに、胸の痛みは典型的な狭心症の症状です。
ところが、患者さんのなかには「胸がグーと押される」「締めつけられる」「息が詰まる」「胸がなんとなく重くなる」など、いろいろな表現をする人が多いのです。

さらに痛む場所も左胸とは限りません。
胸の中央部やみぞおち(おへその上)、左肩や左腕へと放散する痛みや重苦しさのこともあります。
ときには、それらの症状がのどやあご、歯に感じることさえあるのです。

狭心症は、広い範囲に痛みや重苦しさなどの症状がみられるということを、ぜひ覚えておきましょう。

狭心症の痛みや重苦しさは、長い時間続かないものも大きな特徴です。
およそ数十秒から数分もたつと、スっと消えてしまいます。
このため、つい見過ごしてしまう人も多いのです。
胸の痛みや重苦しさなどをしばしば感じる場合には、必ず医師に診てもらうことが大切です。


すでにしばしば発作を起こしている人は、発作のときにニトログリセリンという薬を舌下に含むように指示されていることでしょう。
この薬は、冠動脈を一時的に拡張して心筋に動脈血を送りこめるようにする特効薬です。
発作時に使うと胸の痛みは1~2分でおきます。

2011年11月20日日曜日

食べ過ぎると肥満の悪循環がVLDLをふやします

肝臓では遊離脂肪酸を材料にして中性脂肪が合成され、VLDLとして全身の組織を目指して血液中を移動するようになります。

全身の組織に運ばれた中性脂肪は、遊離脂肪酸に分解されてエネルギーとして利用され、多すぎて余ったユリ脂肪酸は脂肪組織に取り込まれ、ここで再び中性脂肪に合成されて蓄積されます。
蓄積されすぎた状態が肥満です。
肥満すると、分厚くなった脂肪組織から再び遊離脂肪酸が多く放出されるようになります。
すると、この放出ではますます中性脂肪とVLDLの合成が高まります。
こうして、肥満すればするほど、血液中にVLDLがいっそう増えていき、その代謝の過程でますます血中脂質値が高くなるのです。

肥満とは、体に必要以上の脂肪がたまっている状態のことです。
食事でとりいれたエネルギーが、日常の様々な活動で消費されるエネルギーを上回り、その余分なエネルギーが体内で脂肪につくり変えられて体脂肪となり、その体脂肪が過剰に蓄えられた状態です。
ですから、同じ体重でも、柔道やレスリングなどの選手のように筋肉質のタイプの人は筋肉が多く脂肪は少ないので、肥満とはいいません。

2011年11月8日火曜日

女性に自律神経失調症が多いのはなぜ?

自律神経失調症は世代も性別も超えた万人がかかり得る現代病といえるのですが、割合からいえば女性が多数を占めています。

ホルモンの関係で、女性は自律神経失調症になりやすいといえます。

自律神経失調症になるのは、男性より女性が圧倒的に多いものです。

女性は、月経前後はもちろんのこと、妊娠や出産などによってもホルモン分泌のバランスが乱れます。
このホルモンの分泌を調整しているのが脳にある視床下部というところです。
ここは、自律神経の働きをコントロールしている「司令部」でもあります。

ホルモンの分泌のバランスが乱れると、それに影響されて自律神経にも乱れが生じてきます。
そのため、女性は自律神経失調症になりやすいのdす。

更年期の女性の自律神経失調症を「更年期障害」といいますが、これは、卵巣の老化に伴うホルモンの分泌量低下が原因となって起こります。

卵巣の老化は、早い人で35歳前後からはじまります。

男性にも更年期障害はあります。

更年期障害というと、閉経期に見られる女性特有の症状と考えられていますが、最近は中高年の男性にも同じような症状を訴える人が増えています。

男性の場合は、女性ほどの急激なホルモン分泌の変化はありませんが、老化やストレスによって心身のバランスが乱れ、自律神経失調症が現れます。