2011年12月30日金曜日

糖尿が出ないから糖尿病ではない

糖尿病のときは必ず糖が出ると思い込んでいる人がいます。
そんな人は、一回の検尿で糖が出ないと、もう自分は糖尿病ではないと早合点し暴飲暴食して、不摂生をきわめ病状を悪化させることがあります。

確かに糖尿病のときは、尿に糖が混入して出てくるのが一つの特徴ですが、病状の軽いうちは糖尿が出ないこともあるのです。
ですから、たった一度の検尿で糖が現れないからといって、糖尿病ではないと言い切れないわけです。
その後の経過を見たり、血液検査をしたりしないと、糖尿病に罹っているかどうか正確には分かりません。

また、治療を受けて病気が回復してきたときも、糖尿が出ないからといって油断できません。

逆にまた、妊娠しているようなときには尿に糖が出ることもありますので、糖尿が出たからといって必ずしも糖尿病に罹っているとはいえず、素人が早計に判断するのは禁物です。

ですから、一度きりのおおざっぱな健康診断で病気が発見されなかったからといって、安心することはできません。
心臓病・腎臓病・糖尿病・・・といった具合に個別的な健診を受けて、よく調べてもらうようにすべきでしょう。

2011年12月28日水曜日

脳出血は生涯された場所によって後遺症は違ってくる

脳にはいくつかの領域があり、それぞれ役割分担が決まっています。
この脳の領域というのは、「前頭葉」「頭頂葉」「後頭葉」「側頭葉」の4つに大きく分けることができます。

前頭葉は、思考したり判断したり、計算したりといった機能をもっています。
また、前頭葉には口や舌、手足を動かすための指令を出す」運動中枢や、言葉を話すための機能を調節する運動性言語中枢(ブローカ運動性言語中枢という)もあります。
頭頂葉は、体の立体感覚を調整している部分で、触覚や痛覚など、皮膚で受け取る感覚の中枢などがあります。
後頭葉には、聴覚、視覚、味覚の中枢、情緒や感情の中枢、言葉を聞いて理解する感覚性言語中枢(ウェルニッケ感化性中枢という)があります。

このように脳は領域ごとに役割分担が決まっているため、たとえば前頭葉の運動中枢が障害されると手足にまひが起こります。
また、頭頂葉の間隔中枢が障害されると、感覚が鈍くなったりするのです。

一方で、脳は左右2つの半球に分かれており、それぞれ右半球、左半球といいます。
そして、右半球が左半身を支配しています。
ですから、右半球が脳出血などでやられると左半身がまひし、左半球がやられれば右半身がまひします。

2011年12月23日金曜日

中性脂肪と果物

吸収のよい果糖が多いので、1日に200グラムまでにしましょう。

果物には、血中コレステロール値の低下作用があるビタミンCと、水溶性の食物繊維であるペクチンが豊富に含まれています。
ビタミンCには免疫力を高める作用もあるので、体調を崩したときや病気のときは、エネルギーが効率よくとれるというメリットとともに、体力の回復に役立ちます。
ビタミンCは熱に弱いという性質がありますが、生で食べる果物なら、ビタミンCがむだなく摂取できます。

さらに、果物にはカリウムも含まれています。
カリウムはナトリウムと結合して、とりすぎた塩分を体外に排泄する働きがあります。

しかし、果物は糖質の中で最も吸収のよい果糖の含有量が多く、中性脂肪を増やす大きな原因になるという一面もあります。
1日に200グラム程度に抑えるようにしましょう。

果物には、コレステロールの吸収を抑える作用がありますが、食べ過ぎると中性脂肪を増やす原因になります。
エネルギーを低く抑える食べ方を工夫しましょう。

2011年12月20日火曜日

くも膜下出血の危険因子

くも膜下出血は、前日まで元気だった人に突然起こるため、「予告なしに訪れた不幸」のように思われがちです。
しかし、くも膜下出血には、下地となる危険因子がいくつもあり、そういう意味では長年にわたる準備の末に起こる病気といえます。
そして、この準備段階で危険因子を取り除けば、突然の発作は予防できるのです。

くも膜下出血には、脳の血管に血栓ができる「脳血栓」と、心臓にできた血栓が脳血管に詰まる「脳塞栓」がありますが、我が国のくも膜下出血の多く(3分の2程度)は脳血栓です。
脳血栓は、動脈硬化が進んだ結果、起こる病気です。
つまり、動脈硬化を起こす危険因子を取り除くことが、脳血栓の予防につながるのです。
動脈硬化には、
①加齢
②高血圧
③コレステロール
④糖尿病
⑤喫煙
の5大因子がありますが、加齢以外の4つの危険因子は十分にコントロールできるものばかりです。
塩分や脂肪のとりすぎ、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、そして喫煙・・・。
長年の生活習慣の積み重ねが動脈硬化を促進させて、最終的には脳血管を詰まらせるのです。

2011年12月19日月曜日

高血圧を改善するβブロッカー

βブロッカーは、交感神経が働く仕組みに作用して心筋が消費する酸素量を減らして、心臓の負担を軽減します。
狭心症治療の基本的な薬剤の一つで、不整脈の治療にも用いられます。

βブロッカーは血圧や心拍数を下げるので、高血圧症、脈が速い人に向いています。

効き過ぎると、脈が遅くなりすぎたり、だるい、たちくらみがするなどの副作用が現れることがあり、除脈や心不全のある場合には使いにくい薬です。

また、器官を収縮させる働きがあるので、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患の人には向いていません。
さらに、末梢の血流を悪くすることがあるので、閉塞性動脈硬化症の人にも向いていません。

慢性気管支炎と肺気腫を合わせて、慢性閉塞性肺疾患と呼んでいます。
慢性気管支炎は気管支に炎症が起こった状態で、肺気腫は気管支の先端にある肺胞に炎症がある状態をいいます。
両者は別々の病気ではなく、両方の病態が同時に存在しています。

閉塞性動脈硬化症は下肢の動脈硬化が進んで血流が悪化し、しびれたり、冷たく感じられるなどの症状が出て、やがて痛みのため歩行が妨げられる病気です。

2011年12月9日金曜日

出血性脳卒中

出血性脳卒中の原因となる病気には、脳出血(脳内出血)とくも膜下出血がありますが、これらの名称は、出血する場所の違いを示しています。

脳はぶよぶよとやわらかい組織です。
そのため、頭蓋骨という固い骨でしっかりガードされています。
さらに、頭蓋骨のなかでは、外側から硬膜、くも膜、軟膜という3枚の膜が脳を覆い、保護しています。
そして、くも膜の内側は髄液という液体に満たされ、脳波その髄液のなかに浮かんだようになっています。
これはちょうど豆腐が水に浮かび、そのまわりを固いケースで保護しているのと同じです。

頭蓋骨のなかで起こった出血を総称して「頭蓋内出血」といいますが、なかでも脳組織のなか、つまり脳みそのなかで出血したものを脳出血(脳内出血)といいいます。
くも膜下出血とは、その名の通りくも膜の下、つまりくも膜と軟膜の間で出血したものをいいます。

「脳出血」は、外傷や肝臓の病気などいろいろな原因で起こりますが、もっとも多いのは高血圧によるものです。

脳の細い動脈の血管に、長年にわたって高い圧力がかかっていると、血管の壁はしだいにもろくなってきます。