喫煙習慣と動脈硬化性疾患は、多数の調査で密接な関係にすることが明らかにされています。
喫煙者では冠動脈疾患の発症は大量喫煙者だけでなく、1日10本以下の喫煙者にも認められ、喫煙本数の増加とともに高くなります。
その危険度は非喫煙者の2~3倍にも及びます。
喫煙により、血管内皮の損傷が起こりやすくなりますし、HDLコレステロールも低下します。
また、実験でも、LDLの変形が生じることが示されています。
その他に、ニコチンや一酸化炭素など、多くの物質が、単一物質として作用するだけでなく、相加相乗的に働いて、血管壁をいためることも考えられています。
このように、動脈硬化の発症と深いかかわりをもつ喫煙習慣も、禁煙したあとでは心筋梗塞などの危険度が、喫煙していない人と同じ程度まで低下します。
喫煙は、悪性新生物(ガン)など、動脈硬化性疾患以外の疾患の発生をへらすことにもなります。