出血性脳卒中の原因となる病気には、脳出血(脳内出血)とくも膜下出血がありますが、これらの名称は、出血する場所の違いを示しています。
脳はぶよぶよとやわらかい組織です。
そのため、頭蓋骨という固い骨でしっかりガードされています。
さらに、頭蓋骨のなかでは、外側から硬膜、くも膜、軟膜という3枚の膜が脳を覆い、保護しています。
そして、くも膜の内側は髄液という液体に満たされ、脳波その髄液のなかに浮かんだようになっています。
これはちょうど豆腐が水に浮かび、そのまわりを固いケースで保護しているのと同じです。
頭蓋骨のなかで起こった出血を総称して「頭蓋内出血」といいますが、なかでも脳組織のなか、つまり脳みそのなかで出血したものを脳出血(脳内出血)といいいます。
くも膜下出血とは、その名の通りくも膜の下、つまりくも膜と軟膜の間で出血したものをいいます。
「脳出血」は、外傷や肝臓の病気などいろいろな原因で起こりますが、もっとも多いのは高血圧によるものです。
脳の細い動脈の血管に、長年にわたって高い圧力がかかっていると、血管の壁はしだいにもろくなってきます。