くも膜下出血は、前日まで元気だった人に突然起こるため、「予告なしに訪れた不幸」のように思われがちです。
しかし、くも膜下出血には、下地となる危険因子がいくつもあり、そういう意味では長年にわたる準備の末に起こる病気といえます。
そして、この準備段階で危険因子を取り除けば、突然の発作は予防できるのです。
くも膜下出血には、脳の血管に血栓ができる「脳血栓」と、心臓にできた血栓が脳血管に詰まる「脳塞栓」がありますが、我が国のくも膜下出血の多く(3分の2程度)は脳血栓です。
脳血栓は、動脈硬化が進んだ結果、起こる病気です。
つまり、動脈硬化を起こす危険因子を取り除くことが、脳血栓の予防につながるのです。
動脈硬化には、
①加齢
②高血圧
③コレステロール
④糖尿病
⑤喫煙
の5大因子がありますが、加齢以外の4つの危険因子は十分にコントロールできるものばかりです。
塩分や脂肪のとりすぎ、食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、そして喫煙・・・。
長年の生活習慣の積み重ねが動脈硬化を促進させて、最終的には脳血管を詰まらせるのです。