厚生労働省がメタボリックシンドロームの該当者とその予備軍がどのくらいいるのかを把握するために、12万人を対象とした全国調査を実施するという発表がありました。
私たちの目の前に示されたメタボリックシンドロームの概念と診断基準は、非常にシンプルでわかりやすいものです。
まず、おへその高さでのおなか周りを測ればいいのです。
そして、内臓脂肪を減らしてメタボリックシンドロームから身を守ることは、命に関わる病気の入り口となる「動脈硬化」を防ぐことです。
メタボ予備軍が急増するいまの状況は、日本の危機であり、世界の危機でもあります。
私は長年、肝臓病の患者さんを診察してきて、肝臓に脂肪がついた「脂肪肝」が急速に増加していることに危機感を感じていました。
実際に、脂肪肝の患者さんは動脈硬化性疾患を合併しやすく、内臓脂肪も貯まりやすいのです。
検診などで脂肪肝と指摘されたら、おなか周りサイズの超過と同じように、メタボリックシンドロームに片足を突っ込んでしまったと認識するべきでしょう。