副作用の少なく効果のすぐれたワクチンができましたから、将来は、外国に出かけるときに接種しておけば、まずA型のウイルス肝炎に感染することはないであろうと思われます。
国内でも、年間10万~20万人くらい患者が出ますから、A型のウイルス肝炎が流行するようなときには、患者数が多いといわれているところにに住んでいる人はワクチンの接種を受けておいたほうがいいかと思います。
A型のウイルス肝炎でもう一つわかっているのは、家族内発生がわりに多いということです。
これは同じものを食べて感染が起こる場合と、ある人からある人へと家族内で次々に伝染している場合の二つがあります。
次々に伝染している場合には、ワクチンで予防することが可能です。
A型のウイルス肝炎の潜伏期間はおよそ1カ月ですから、家族が次々にうつるときには、1カ月くらいおいて次の人に病気が出ます。
ウイルスが侵入したかどうかわからないぐらいのところで(つまりウイルスが先に侵入してしまってから)ワクチンを接種しても、発病を抑える可能性がありますから、A型肝炎にかかった人がいたら、家族全員にワクチンをしておくのが安全です。