2010年6月14日月曜日

仕事の原理-力学の黄金法則

道具や機械を使った仕事で、力の大きさか移動距離の
どちらか一方を拡大できても、仕事の量を得する
ことにはならない。

(仕事の量)=(力の大きさ)×(移動距離)

仕事にかかる力 節約の歴史

仕事とは、講義には人の能動的な活動全般をさすが、
物理的には物体に力が働き、それが動いた時、
力が物体に仕事をし、物体は外力から仕事を
受けたという。

この物理的な仕事の概念が、ぼんやりとした
形であれ、知覚されたのは太古の巨石時代であった。

通常の人力を超えた「大きな力」が、
物理の仕事を、広い意味での人間の仕事から分離させた。

それより前の狩猟収集の時代には、
投げる、打ち込む、持ち上げる、持ち歩く、
引っ張る、担ぐなどといった動作を
一人か二人、もっと多くなってもチームワークで
まかなうことができた。

農業が始まり、乗除生産物をめぐって支配と
侵略が横行し、王のための宮殿や墳丘墓が
築造されるようになり、一時に10人、100人の
規模の労力が必要となった。

人力では間に合わず、丸太(コロ)、テコ、
滑車などといった道具が使われた。

これらの道具を単一機械という。

「全体の労力が莫大となれば、
一人当たりの労働者に加わる力も増え、
危険もそれなりに増す。
当時の労働者の多くは被征服民衆であり、
現場監督は同じ仲間で知能の優れた
者であったから(支配者は、そうすることで
巧妙に仕事の能率を高めた)監督者は仲間の
労働を少しでも軽減しようとして
これらの単一機械を発明したと思われる」

古代ギリシャの人々は、
これらの機械によって力を節約したとき、
ふと気がついた。

「力を半分しすると、力による移動距離は
2倍に伸びる。
力は節約できたが、力と移動距離との積は、
少しも節約できていないではないか」


力学の黄金法則

そしてこの「力と移動距離の積は一定である」
ということを
「力学の黄金法則」と呼んだのだ。

この力学の黄金法則がアラビアを経て
ヨーロッパに伝えられ、19世紀の前半、
フランスの土木技師にして物理学者
グスタフ・ガスパール・コリオリが
それをひとつの物理量として
扱ったらどうかと提案した。

パリ大学物理学科のポンスレー教授が
賛成し【Km×m】という単位を提案した。

こうしてWorkDone(なされた仕事量)
という概念と量が物理学として確立された。

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