2010年6月11日金曜日

慣性の法則(運動第一法則)

慣性の法則は「続ける」ことこそ大事

静止している物体は、なにもされなければ静止し続ける。

しかし、外部からは何もしていないのに、
物体がはじめの運動をいつまでも続けるのは
不思議といえば不思議だ。

物体に運動を続けさせるには、たえず力を加えねばならない。

例えば、馬車だって、馬が走るからこそ動き続ける。

慣性の法則で大事なのは「続ける」ということだ。

静止物体は静止の状態を続け、運動物体は運動状態を
続けようとする傾向がある。

その状態を変化させるためにこそ、その傾向に逆らって
力を加え加速してやらねばならない。

しかし物体は変化はイヤだよと言わんばかりに抵抗し、
いわばそれまでの習慣を断固続けようとする。

その傾向を「慣性」という。

電車に急ブレーキがかかったとき、電車内で立っている
乗客の床に接している足のほうは電車に合わせて減速する。

ところが上体のほうは、どこからも力を受けないので、
慣性の法則により、それまでの電車の速さのまま
前方へ進む。

そこで、下半身と上半身にギャップが生じ、
上半身だけが前方にずれ、前のめりになる。

自動車の追突事故などで急に速度を変えた場合をみてみよう。

さきほど述べたように、物体の慣性の大きさはその質量に
比例するので、重くて、支えの弱い頭部にギャップが強く現れ、
鞭打ち症を引き起こすことになる。

慣性の法則に最初に気付いたのは、ガリレオ・ガリレイだ。

ガリレオは斜面のA点からO点まで転がり落ちた球が、
斜面に沿って上昇すると、傾斜の角度にかかわりなく、
A点と同一の高さB点やC点まで昇って止まることを知った。

それなら斜面をだんだん寝かせていって、水平ODまで倒すと、
球はどこまでいってもA点の高さに達しないので、
永久に運動を続け、地球を一回りするだろうと推論した。

それが等速円運動であるとしたのは誤りだったのだが。

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