閉じられたシステム内では、エネルギーの配分が
均一化し、エントロピーが増加する方向に向かう。
エントロピーの概念を考え出したのは、ドイツの、
もっとも独創的な理論物理学者
ドルフル・ジュリアス・エマニュエル・クラウジウス
である。
エントロピーとは、ひと言で言ってしまえば、
世のでたらめぶりである。
「エントロピー増大の法則」とは
世のでたらめが増大する一方だということ。
この法則は熱力学の第二法則に由来し、
熱やエネルギーから離れられないはずだ。
それなのに、今のひと言では、
それらへの言及がないからではないかと。
確かに直接の言及ではない。
しかし、この世の物はすべて絶対零度より
上の温度の熱を帯び、エネルギーを保持しているので、
それより低い温度領域の物と接すると、
必ず熱が一方的に前者より後者へ流失し、
その場のでたらめは必ず増大する。
この法則のなんともユニークなのは、
これが熱力学の世界ばかりではなく、
それを包括しながら、より広く人間社会をも
含めた自然界のすべてに当てはめられるところだ。
そうなったのには、歴史的なバックグラウンドがある。
エントロピーは、はじめ、熱に関する物理学で
深い考察がなされ、次に数学的にものを
配置する方法の数(の対数)として定義された。
このことによって、熱力学から離れて、
エントロピー増大の法則をやめたら
やたらめったら適用できることに、
人類は気がついたのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿